秋が深まり、ニットを手に取る日が増えてくる頃。
クローゼットには、ウールのセーターやカシミヤのカーディガンなど、見た目のよく似た服が並んでいることがあります。
ウールとカシミヤの大きな違いは、原料となる動物。一般的なウールは羊の毛、カシミヤはカシミヤヤギの毛から作られます。
そして違うのは、名前だけではありません。触れたときの風合いや、着ているときに気をつけたいことにも、それぞれ特徴があります。
素材について少し知っておくと、「このニットはどう扱えばいい?」と迷ったときのお手入れのヒントになります。
今回は難しい素材の話ではなく、秋冬の服を選び、着て、手入れするときに知っておきたい違いを見ていきましょう。
ウールとカシミヤ、一番大きな違いは?

一般的にウールは羊からとれる毛、カシミヤはカシミヤヤギからとれる繊維です。
どちらも秋冬のセーターやカーディガン、ストールなどによく使われる天然の動物繊維ですが、原料が違えば、繊維の特徴にも違いがあります。
ウールの中にもさまざまな種類があり、よく知られているもののひとつがメリノ種の羊からとれる「メリノウール」です。
カシミヤは細くなめらかな繊維として知られていますが、「カシミヤなら必ずウールより柔らかい」と単純には決まりません。
細い繊維を持つメリノウールもあり、さらに糸の作り方や編み方、加工によって、実際に触れたときの印象は変わります。
素材名だけを見るのではなく、その一着の手触りや風合いを確かめてみることも、服を知る楽しみのひとつです。
ウールはふっくらした弾力を感じやすい素材
ウールの繊維には自然な縮れがあり、その間に空気を含みやすい構造をしています。
セーターだけでなく、ジャケットやコート、ブランケットなど、秋冬のさまざまなアイテムに使われているのも身近な理由のひとつです。
一方で、お手入れのときに意識したいのが摩擦です。
濡れた状態で強くこすったり、もんだりすると、繊維同士が絡みやすくなり、縮みや型崩れにつながることがあります。
ウールを扱うときは、「汚れを落とすためにしっかり動かす」より、「必要以上に動かさない」と考える方が向いています。
そして、着るたびに必ず洗う必要はありません。
目立った汚れがなければ形を整えて風を通すなど、その日の状態を見ながらお手入れを選ぶこともできます。
カシミヤはなめらかな風合いを楽しむ素材
カシミヤは、カシミヤヤギから採取される細かな繊維を使った素材です。
軽やかでなめらかな風合いを活かし、セーターやカーディガン、マフラー、ストールなどによく使われています。
そんな繊細な質感を楽しめる一方で、日常生活では摩擦に少し気を配りたいところ。
バッグやアウターが繰り返し触れる部分は、毛羽立ちや毛玉が目立ちやすくなることがあります。
だからといって、特別な服として慎重になりすぎる必要はありません。
同じカシミヤニットを何日も続けて着るのではなく、ときどき休ませたり、着用後に表面の状態を見たりするだけでも十分です。
高価な素材だから特別扱いするのではなく、強い摩擦や負担をできるだけ増やさない。
そんな付き合い方の方が、日々の暮らしには取り入れやすいかもしれません。
素材がわかっても、まず確認したいのは洗濯表示
「ウールならこの洗い方」「カシミヤならこの洗い方」と、素材だけで家庭で洗えるかどうかを判断することはできません。
同じ素材のセーターでも、家庭で手洗いできるものもあれば、家庭での水洗いを避ける表示のものもあります。
衣類には素材だけでなく、糸の作り方や編み方、染色、装飾、縫製などさまざまな要素があります。
そのため、お手入れを始める前には必ず衣類についている洗濯表示を確認しましょう。
家庭で水洗いできないものや、扱いに不安がある衣類は、無理に洗わずクリーニング店などへ相談すると安心です。
水洗いや手洗いができる表示なら、自宅でのお手入れという選択肢もあります。
ウールやカシミヤを洗うときは、やさしく

家庭で洗える表示のウールやカシミヤは、強くこすったり、もんだりせず、できるだけやさしく扱います。
特に濡れたニットは水分を含んで重くなっているため、ねじって絞ったり、無理に引っ張ったりすると形が崩れることがあります。
洗ったあとは、やさしく水分を取り、洗濯表示に合った方法で形を整えて乾かしましょう。
細かな洗い方をすべて覚えるよりも、「濡れているニットに強い力をかけない」ことを意識しておくとわかりやすいです。
ウールの具体的な洗い方については、お手入れガイドで詳しくご紹介しています。
ウールの洗い方を見る →
ユーカランでお手入れするという選択
家庭で水洗いできるウールやカシミヤなどのデリケート衣類には、ユーカランを使う方法もあります。
ユーカランは、すすぎ不要タイプのデリケート衣類用洗剤です。
基本の手洗いでは、洗剤を溶かした水に衣類を浸し、その後はすすぎをせず、やさしく水分を取って乾かします。
すすぎ工程がないため、濡れたニットを洗い水からすすぎ水へ移したり、水の中で繰り返し動かしたりする工程を減らせるのが特徴です。
また、ユーカランには、羊毛にもともと含まれる脂質成分を精製したラノリンが配合されています。
ただし、ユーカランを使う場合も、まず確認するのは衣類の洗濯表示です。
洗剤の種類だけでなく、その一着に合った方法でやさしく扱うことまで含めて、お手入れを考えてみてください。
素材を知ると、その服との付き合い方が見えてくる
ウールとカシミヤ。
どちらも秋冬のニットとして身近な素材ですが、原料となる動物も、繊維の特徴も同じではありません。
だからといって、それぞれの素材について難しいルールを覚える必要はありません。
ウールは、特に濡れているときの摩擦に少し気をつける。カシミヤは普段からバッグやアウターとの擦れを意識し、どちらも洗う前にはまず洗濯表示を見る。
そのくらいから始めれば十分です。
素材の特徴を知ることは、その服に必要なお手入れを考えるためのヒントになります。
いつものニットを手に取ったとき、タグに書かれている素材を少し見てみる。
去年まで何気なく着ていた一着にも、今までとは少し違う見方ができるかもしれません。
素材を知ったら、その一着に合うお手入れを。
家庭で水洗いできるウールやカシミヤなどのデリケート衣類に。ラノリン配合・すすぎ不要のユーカランで、秋冬のニットケアを始めてみませんか。