秋冬になると、出番が増えるニット。
気に入ってよく着ているセーターほど、袖や脇に小さな毛玉を見つけることがあります。
「もう傷んでしまったのかな」と少し残念な気持ちになるかもしれませんが、毛玉はウールやカシミヤなどのニットにも起こり得る、ごく身近な現象です。
毛玉ができる大きなきっかけは、着ている間に起こる「摩擦」。
なぜ毛玉ができるのかを知ると、普段の着方やお手入れで意識したいことも見えてきます。
今回は、秋冬のニットと気持ちよく付き合うために、毛玉ができる仕組みと日々できるケアをご紹介します。
毛玉はどうしてできる?
ニットを着て動いていると、生地の表面には少しずつ摩擦が加わります。
その摩擦によって表面の繊維が毛羽立ち、ゆるんだ繊維同士が絡み合って小さな球状になったものが毛玉です。
つまり毛玉は、しまっておくだけで突然現れるというより、着る・動く・何かに触れるという毎日の動作の中で生まれます。
毛玉のできやすさは素材だけでは決まりません。
繊維の長さや糸のつくり、編み方、着用頻度、摩擦の強さなど、さまざまな条件が関係します。
そのため「高価なニットなら毛玉ができない」「カシミヤだからできやすい」と単純に判断することはできません。
上質なウールやカシミヤでも、摩擦が繰り返されれば毛玉ができることがあります。
毛玉ができやすい場所を見ると、理由がわかる

ニットを広げてみると、毛玉は特定の場所にできやすいことがわかります。
- 脇袖の内側
- ひじ周り
- 身頃の脇
- バッグが触れる部分
これらはいずれも、着ている間に何かと繰り返し触れる場所です。
たとえば歩くたびに腕と身頃が触れたり、ショルダーバッグのストラップが肩周りに当たったり。デスクワークでは、袖やひじが机と接触することもあります。
目立つ部分に毛玉を見つけたら、「ここはよく擦れているんだな」と、その日の着方を思い返してみましょう。
毛玉を見ると、その服がどこで摩擦を受けているのかがわかります。
これは、次に着るときのヒントにもなります。
毛玉を完全に防ぐより、摩擦を少し減らす
ニットを着る以上、摩擦をゼロにはできません。
だからこそ、毛玉を絶対につくらないことをめざすより、日常の中で強い摩擦を少し減らす方が現実的です。
たとえば、ニットの日は表面が粗いバッグを長時間こすりつけない。袖口や身頃を必要以上にこすらない。
同じニットを毎日続けて着るのではなく、ときどき休ませるのも効果的です。
着用後はすぐに収納せず、平らな場所で形を整えながら状態を確認してみましょう。
小さな毛羽立ちや毛玉を早めに見つけられれば、大きく目立つ前にお手入れできます。
「毛玉ができてから直す」だけでなく、「どう着ていたかを見る」ことも、ニットケアのひとつです。
できてしまった毛玉は、どうすればいい?

小さな毛玉ができたからといって、ニットそのものが着られなくなったわけではありません。
まだ毛玉の数が少なければ、衣類を平らな場所に置き、状態を見ながらやさしく取り除きます。
毛玉取り用のコームや電動の毛玉取り器などを使用する方法もあります。
ここで気をつけたいのは、毛玉を取ろうとして生地そのものまで強く引っ張らないこと。
毛玉取り器を使う場合も、ニットへ強く押しつけたり、同じ場所を何度も往復したりするのは避けましょう。
特に毛足の長いニットや、柔らかな風合いのカシミヤなどは、表面の状態を確認しながら少しずつ進めます。
目立つ毛玉をすべて一度に取り切ろうとせず、服の風合いを残しながら整えるくらいでも十分です。
「毛玉ができた=寿命」ではありません
久しぶりに取り出したニットに毛玉を見つけると、「そろそろ買い替えかな」と考えることもあります。
でも、毛玉だけで服の寿命が決まるわけではありません。
毛玉を整え、形を整えてみると、まだ気持ちよく着られることもあります。
ここで大切なのは、毛玉だけを見るのではなく、服全体の状態を見ることです。
生地が薄くなっていないか。
ほつれや穴がないか。
形が大きく崩れていないか。
「毛玉はニットを手放すサインではなく、いったん状態を見直すきっかけ。」
そう考えると、今までより少し気軽に向き合えるかもしれません。
洗うときも、必要以上にこすらない
毛玉の原因になる摩擦は、着用中だけでなく、お手入れ中にも起こります。
家庭で水洗いできるニットを手洗いするときは、汚れを落とそうとして強くもんだり、こすったりするのは避けましょう。
まずは衣類の洗濯表示を確認し、その一着に適した方法を選びます。
ユーカランは、ウールやカシミヤなど家庭で水洗いできるデリケート衣類にも使える、すすぎ不要タイプの洗剤です。
すすぎ工程がないことで、洗い水からすすぎ水へ移したり、水の中で衣類を繰り返し動かしたりする工程を減らせます。
だからといって、ユーカランを使えば毛玉ができなくなるわけではありません。
ニットのお手入れでは、洗剤選びだけでなく、濡れている衣類をできるだけやさしく扱うことが大切です。
洗ったあとも強く絞らず、やさしく水分を取り、洗濯表示に合った方法で形を整えて乾かします。
よく着るニットほど、少しだけ目を向ける
よく着るニットに毛玉ができるのは、それだけ日々の暮らしの中で出番があったということでもあります。
袖に小さな毛玉を見つけたら、少し整える。
今日はバッグとの擦れを減らしてみる。
着たあとは少し休ませる。
そんな小さなお手入れの積み重ねで、ニットとの付き合い方は変わってきます。
新品のような状態をずっと保つことだけが、服を大切にする方法ではありません。
変化を見つけたときに、その一着に合ったケアをして、また着る。
秋冬のワードローブに欠かせないニットだからこそ、毛玉とうまく付き合いながら、これからも楽しんでいきたいですね。
お気に入りのニットを、次に着る日も心地よく。
家庭で水洗いできるウールやカシミヤなどのデリケート衣類に。すすぎ不要のユーカランで、摩擦をできるだけ増やさないシンプルなお手入れを始めてみませんか。